
MLBワールドシリーズに学ぶ ー「好き」なことを覚悟を決めて挑戦するー
ワンスアラウンド株式会社 取締役 佐藤 梨枝子 |
現場マガジン 【vol.207】
MLBワールドシリーズに学ぶ
ー「好き」なことを覚悟を決めて挑戦するー
この原稿を書いているのは11月4日(火)。
MLBワールドシリーズの興奮が未だに続いている状態です(笑)。
特にMVPに輝いた山本由伸投手の驚異的なチームへの貢献には何度、映像を見ても涙が出ます。
『野球少年に戻ったよう。気づいたらマウンドにいた』この言葉には震えました。
「尊重」「フェアプレー」「勇気」「覚悟」
スポーツマンシップとは本当に素晴らしいものだと改めて思いました。
成功する(している)人は、シンプルに自分の仕事が好きで好きで溜まらなくて、もっともっと良いパフォーマンスができるようにと努力を惜しまない。すなわち【好き】が全ての源になっているのだと思います。
さて職種は違いますが、弊社の現場スタッフもお客様の「お役に立つ」ために日常の自分の行動を振り返り、考え方や努力すべきことなどをレポートに挙げてくださいます。
今回はそんなスタッフ達が考えていることを幾つかご紹介したいと思います。
■ご購入に繋がらなかったお客様に対するHさんの想い股下〇〇センチ、股上〇〇センチと、ご自身にぴったりのパンツをお探しのお客様がいらっしゃいました。 「このパンツ、何センチか測ってもらえるかな?」とのことで実際に測ってみたところ、股上も股下も短めで、お客様のご希望とは異なるサイズ感でした。 お客様は「ベルトをしたときに腰でしっかり止まる、このサイズ感じゃないとしっくりこないんだよね」と少し残念そうなご様子。 「値段も安いし、ストレッチも効いてて欲しかったけど、残念!」とおっしゃりつつ、「忙しいのに測ってくれてありがとうね」と感謝の言葉をいただきました。 ご自身の履きやすいサイズをしっかり把握され、こだわりを持ってお買い物をされるお客様はとても素敵だと感じました。 ご購入にはつながりませんでしたが、私は「無駄な接客はない」と思っています。 「この前、メジャーで測ってくれた店員さん」と記憶に残るだけでも嬉しいですし、「またあのお店に行ってみよう」と思っていただけるきっかけになるかもしれません。 どこでまたご縁がつながるかわからないからこそ、お客様との出会いを大切に。 一つひとつの接客に心を込めて対応していきたいと思います。 |
小売業は売れてなんぼですが、売上に繋がるまでの工程が最も大事です。そのことは誰もが頭で分かっていても、手間や時間を割いたときなどは特にガッカリした気持ちになり言動や態度に現れがちです。
Hさんのように「無駄な接客は一つもない」と言う心づもりが、お客様にとって居心地の良い体験となり、また会いにきてくださるきっかけになり、結果、売上向上に繋がっていきます。
当たり前のことかもしれませんが、日々、自分自身にそう言い聞かせることが質の良いサービスを提供できる秘訣なのではないでしょうか。
■スタッフの心の余裕がお客様のお悩み解決に繋がる先日、お客様からありがたいコメントをいただきました。 【良いタイミングで声をかけてくださった! 素敵なスタッフさん、以前接客してくださった方も後半少しご一緒して楽しく買い物ができました。 店舗もステキですが、信頼できるスタッフさんとの出会いが今後も期待してお店に立ち寄るきっかけになって、とても満足です。ありがとうございました!】 同年代のお客様で、一度退店なさってからの再来店でした。 ツイードのジャケットを前に、仕事でジャケットが必要だけど無難な物は着たくない…でも目立ち過ぎは…とお迷いでした。 【これを着たいけど、着る理由】をお探しなのだなと感じ、「大人には素材の良さと艶感が大事です。服の力を借りましょう!」とお声かけしたところ、 「最近似合わない物が多くて困ってて。そういうことなんですね!これにします!」と明るい表情に変わりました。 服を買う時の大人の悩みは、 「トレンドを追いかけたいけどやり過ぎと思われないか?」「体型や肌の質感の変化をカバーしたいけどどうしたら?」「これを買っていつ(どれくらい)着られる?」 が大半で、結果、何を買っていいのかわからなくなるのだと思います。 それを解決するのが私の仕事で、その解決のためにお客様の気持ちを推測するには《自分自身の余裕》も必要だと気づいた出来事でした。 お客様のお役に立つために心の《余白》を作って臨みたいと思います。 |
こちらを投稿してくださったスタッフは、とにかく顧客様を多く持つとてもおしゃれなベテランスタッフのNさんです。
レジェンドと呼ばれるくらいの存在感でありながら、日々、自分自身の接客を振り返り、常に気づきを多く持っています。
Nさんは販売を始めた頃、接客が苦手と悩んでいた方でした。しかし、当時の店長がNさんをよく観察していると、接客が苦手なのではなく売ることが苦手なだけで、接客は寧ろ一級品!!そのためNさんに会いに足を運ぶお客様が増え、いつしかNO.1級のスタッフとなっていました。
1人1人の「好き」が向上心に繋がる
両名に共通していることは「ファッション」と「人」が好きというシンプルな【好き】があることだと思います。
ファッションが好きだからお客様にも、もっとファッションを楽しんでもらいたい。
人が好きだから、常に自分の心を整え、お客様との時間をもっと有意義なものにしたい。
その【好き】が2人の向上心に繋がっているのだと思います。
野球も接客も同じように【好き】を通して、向上心をもって覚悟を決めて挑戦する、そんな人間の凄さは誰もが持っているものなのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも現場から届いたお客様の「ありがとう」を
ご紹介してまいります。



