ブログ

catch-img

多様性の時代に問われるのは「人」としての優しさ

ワンスアラウンド株式会社

取締役 佐藤 梨枝子

佐藤 梨枝子

ハッピーエピソード 【vol.60】

多様性の時代に問われるのは
「人」としての優しさ

店舗には様々なお客様がご来店されます。
高齢の方、ベビーカーの方、海外の方、障がいをお持ちの方。
様々なお客様に心地よくお買い物を楽しんで頂くためにセミナーや検定など学習の場も増えてきました。

今回は、自社の店舗で実際に応対した際の事例を2つご紹介致します。

■お客様にとって最適な商品選びのお手伝い


以前のお話しです。
退勤しようとレジから離れた時に女性のお客様から声を掛けられました。


そのお客様は、片脚に医療用器具を付けられており、ヘルプマークを身に付けられていました。

ヘルプマークとは外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるようにするマークです。





そのお客様からレインウェアの相談がありました。
以前購入したものは、かなり前の物で新しく購入されたいとのこと。


失礼ながら、お身体で他に不自由な所があるか伺いました。それによって、脱ぎ着が不自由だとご案内に失礼なので、差支えなければ…とお聞きしたところ、お身体は脚のみだが、知的障がい者だと教えて頂けました。


その事が分かり、こちらもご案内の仕方を健常者の方とは違う対応の接し方をしました。

  • ゆっくりと話し、1つの会話は短めに…
  • 難しい言葉(単語)を使わずに…


どのようなスタイルでレインウェアを着られるか教えて頂き、リュックスタイルとの事だったので、リュックを背負った状態でも着られるバッグインのレインウェアをご案内しました。


理解をされるまで、同じ事を何度も繰り返されるタイプだと分かっていたので、リュックを背負った状態で後ろのチャックを閉めた状態で着て、チャックを開けた状態で着て、を繰り返しながら、ご希望のレインウェアは全て試着されました。


色選びにも、時間を要しましたが、ご本人が納得されるまで見守っていました。


色が決まった後には、付属の袋は何か聞かれ、この袋に入れてバッグの中に入れる事が出来るとお話しをし、入れ方を教えて欲しいと言われました。


もちろん!ぜひ、ご一緒にやりましょう!
と、お会計後に、先ずは私が見本を見せて、その後にお客様に何度かご自身で畳んで袋に入れる…という作業を練習して頂きました。


全て終わるまで30分くらいだったかと思いますが、対応途中で私の名札に気付かれたのか「Sさん…」と呼んで頂けた事に驚き、それからは質問の度に私を名前で呼んで頂きました。


最後には
「Sさん、障がいの私に、とても丁寧に親切に対応してくれてありがとうございました!
とても長い時間だったのに私みたいな障がい者に優しく対応して頂ける人に会えて嬉しかったです。これを着る時は、Sさんを思い出します!」
と仰っていただきました。



私は、長年、たまたま身近にそういう知り合いと一緒にいたり、小学校の個別級の児童を見てきました。

だから、私にとっては、何でもない事でしたが、こちらのお客様は、とても気持ちの良い時間を過ごして頂けたんだなぁ〜、と、私も嬉しく思うお言葉でした!


■お客様から教えて頂いたこと


以前接客したことのある車椅子のお客様がご来店され、声を掛けさせていただきました。
『暖かい防水のジャケットがないか見に来た』とのことでした。


それに加え、
『前回購入した防水のジャケットが、車椅子の素材との相性が悪く、着る時に引っかかるのと、座ったままだとファスナーをあげにくい』とのことで、素材や、ファスナーに重点を置き2着ピックアップしてお薦めさせていただきました。


前回購入されるときも何度か下見に来られ購入されたので、「よろしければメモをお渡し致しましょうか」とご案内し、ご試着された2点の商品の特徴を記入して
お渡ししました。


それから約1週間後、お客様が再来店されました。
『先日の商品をもう一度みたい』とお財布からメモを出してくださり、結果、お薦めした商品をお買上げ頂きました。


車椅子のお客様にとって、楽にアウターの着脱をするには、アウターの素材と車椅子の素材との相性も考慮しなければいけないということを、今回の接客で初めて知ることが出来ました。


それぞれのお客様の特徴に合わせた応対を、まだまだ勉強しなくてはいけないと感じた出来事でした。




【ユニバーサルマナーはハードよりハート】

今は各施設でも、盛んにユニバーサルマナー研修が行われています。

1つ目の事例であったような基本的な知識を知っておくことでお客様の居心地の良さに繋がることは間違いありません。
親切心でお手伝いをしても、やってあげるだけではダメ。お客様が自分でできるようになるまで優しく見守ることも必要なのです。

2つ目の事例では実際のお客様の声にスタッフは目から鱗だったようです。
自分で体験してみないと分からないことも、こうしたお客様のご意見がとても貴重なものになります。

ユニバーサルマナーはハード(設備)よりもハートと言われています。
いついかなる時も、目の前の方への思いやりと優しさを持つことが、多様性の時代での心構えなのだと思います。





最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも現場から届いたお客様の「ありがとう」を
ご紹介してまいります。

佐藤 梨枝子
佐藤 梨枝子
ワンスアラウンド株式会社 取締役

ご購読はこちらから

本ブログは、メールマガジンでも配信しています。

【こだわり】
現場で働く仲間に今伝えたいテーマに拘る。

現場で起きているリアルな事例に拘る。

現場で働く仲間が 元気になる提案に拘る。

購読ご希望の場合は下記フォームより
必要事項をご入力ください。




人気記事ランキング

タグ一覧