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改善活動は常にお客様目線で!


ワンスアラウンド 株式会社

ビームス アウトレット 入間店

次長  小澤 有紀子

いつもワンスアラウンドの「現場マガジン」を、ご覧いただきましてありがとうございます。現在、ビームス アウトレット入間店で次長をしております小澤有紀子と申します。服飾専門学校を卒業後、ワンスアラウンドに入社し11年目。現所属含めビームスアウトレットを2店舗、プロパー店舗を3店舗経験し、今年の8月までプロパー店舗の店長を4年間務めていました。
今回は前所属店舗で行っていた事例をご紹介いたします。

店長たちのチャレンジ 【vol.010】


改善活動は常にお客様目線で!

前店舗は、多くが百貨店に店舗を構えており客層は40代〜70代がメインで客単価がおよそ¥20,000前後の婦人服ブランドでした。

私がいた店舗は地域密着型の百貨店ということもあり、フリー客やインバウンドも少なく、売上の約6割を顧客売上が占める店舗でした。

スタッフ数は私を含めて社員が3名、アルバイト1名で、1日2名体制でお店を回しているこじんまりとした店舗でした。

私が異動してから約2年間、「古くからの顧客様を大切にし、新しい顧客様をつくる」そして「スタッフが働きやすい環境」にするために、「顧客づくり」「業務時間削減」「綺麗なストック環境」など、ありとあらゆることを”もっともっと”を通じて改善してきました。
”もっともっと”全店舗全スタッフが参加できる「カイゼン活動」です。


今回は「顧客づくり」について、こだわって実践してきた事例をご紹介します。

コロナ禍を経て、顧客様自身のライフスタイルの変化による買い控え、商品が従来のテイストから変化、館の大幅リニューアルによる退店店舗の増加など、様々な与件があった中で、顧客型店舗としては半期に2度ある館カード会員向けの優待やその他の館施策、同時に開催するブランド施策を頼りにしてきました。

しかし、今までイベントに重きを置き過ぎていたことで、イベント後の急激な客数減が課題となっていました。
そこで、“もっともっと”を通じて改善活動に取り組みました。

顧客様をお呼びするツールを活用!

私たちのお店があるフロアは周りも顧客型店舗が多く、フリー客が少ない為、フリー客対策は困難だと判断しました。


そこで、お店で呼べるお客様を増やそう!と考え、呼ぶ手段としてブランドから毎月発行している会員向けのバースデークーポンを活用しました。


この会員向けサービスは、誕生月に¥2,000の割引ができるもので、以前までクーポン対象の自店顧客に向けて、毎月月初にLINE Worksを利用し、クーポンのご案内を配信していました。


今までは、クーポン戻りに重きを置いておらず、毎月20名から30名ほどに配信しても戻りがほとんどない状況でした。


また、月初のみの配信だった為、LINEだと他のメッセージに埋もれて忘れてしまう方も多いことから、月半ばの15日にリマインドをすることにしました。すると、34名に配信した月の15日までに4名しか戻っていなかったため、残り30名にリマインドしたところ、さらに5名の戻りに繋がりました。


小さい数字ではありますが、リマインドで来店された顧客様の平均客単価は約¥20,000あり、リマインドをしなければこの売上はなかったのでお店としては大きなプラスでした。


実際に顧客様からも「最初に送ってくれたLINEを見て行こうと思ったけどすっかり忘れてて、先日のLINEで思い出してクーポンが使えた!」と嬉しい反応がありました。


お客様目線で小異大差を実践!

こうして月初のアプローチから中旬のリマインドまでが毎月のルーティンになりましたが、次の2つの問題が浮かび上がりました。


  1. メンバーズカードを提示されるお客様は対象であると気づけない
  2. セール期はお客様が損をした気分になる


まず、一つ目の問題点についてです。


このクーポンは、LINE以外にブランドアプリのログイン画面で対象かどうかを確認できるので、対象者全員を把握していなくても会計時に忘れることなく利用することができます。
しかし、お客様がアプリ未登録でメンバーズカードを提示される場合は対象者かどうかを確認することができずに使いそびれてしまうということが発生していました。


そこでアナログな方法ではありますが、以下の改善を行った結果、お客様をお待たせすることなく、スタッフがスムーズに確認することができ、さらに以下のメリットも生まれました。


<改善策とそのメリット>


①カードの裏面に誕生月を記入してもらう
メリット・・・カードスキャン時に気づくことができることと、お客様とのパーソナルな会話のきっかけにもなり、誕生月が近ければ次回新作のご案内と来店の促しができます。


②対象者一覧を日報にファイリング→利用した際は日にちを記入
メリット・・・誰が来ていて誰が来ていないか一目瞭然。日報は毎日確認する為、自然と対象者の名前がインプットされ、お客様が来店された際に「バースデークーポン使えますよ!」が会計ではなく、接客の時点でお伝えすることができ客単価アップにも繋げられる。


そして、2つめの問題点です。

クーポンはセール品に利用することができず、LINEアプローチ時にもメッセージに入れていますが、セール期が誕生月のお客様はセールにも使えると思って来店される方が多く、中々プロパーでお目当てのものが見つけられずお客様が損した気分になってしまうということがありました。


スタッフ間でも「ショップから来るLINEは正直メッセージまでしっかり読むことってないですよね」と話題になりました。
せっかくなら全てのお客様に利用していただきたいので、画像だけ見て分かるようにしよう!と一工夫加えました。


これまでは、ブランドからアプローチ用として送られてくる画像を使用しており、ブランドイメージ画像を背景に”誕生日おめでとうございます”の文言が加えられたシンプルな内容で、それにクーポンの詳細を併せて配信していました。
ブランドからの画像使用は任意だったため、お客様目線で考え、配信する際の画像に新作商品の写真とクーポン内容を全て詰め込み”セール期だけど、今ならプロパー品がお得に買える!”という視点から以下のように配信画像を修正しました。




この改善を初回に実施したのがセール真っ只中の1月です。


効果としては「とりあえずクーポンを使いたい」からではなく「クーポンでこの商品を買いたい!」とプラスにマインドチェンジすることができました。


また、クーポンを使ったプロパー提案からセール品をセット提案することで客単価UPにも繋がり、戻り率は前年比で150%。クーポン利用者の客単価は¥30,000と前年から¥4,000アップしました。


お客様目線で考え、一手間工夫することで効果を得る「小異大差」を実践することができました。


顧客様の殆どはデジタルを苦手とされる方が多いため、バースデークーポンの事例以外でも、イベント関連のアプローチは”お客様視点で分かりやすさを重視”し、スタッフと試行錯誤してきました。


1度の改善で終わりではない!

今回は「顧客づくり」についてご紹介しましたが、全てのもっともっと活動で振返りを大事にしていました。

もっともっとは月に1回全社へメール配信しています。
もっともっと担当スタッフが今まで配信した内容を印刷してすぐに振返りができるようにファイリングすることを提案してくれました。
配信の1週間前くらいのタイミングでファイルを確認し、継続できているか?さらに改善できそうなことはないか?チェックして改善点が見つかった場合は、直ちに改善案を検討し実行しました。

改善活動を行う中では、「今までこうだったから変える必要ない」という固執した考え方を無くすことも重要だと思います。

お客様の流れや世の中も日々変化し、働く仲間も変わっていくので、日頃から「今までのやり方は現状に合っているのだろうか?」と思うことが改善の第一歩だと考えます。


さいごに

今回はイベント外の売上確保が改善きっかけとなった事例でした。
売上が伸び悩むと、数字ばかりが目に入って改善の中心が「売上」になってしまいますが、一旦立ち止まり、「お客様やスタッフの役に立てているだろうか?」という思いを持つことがまず大切だと実感しました。

現在は新たな環境で奮闘中ですが、「お客様や周りのスタッフのお役に立つ」という思いを忘れず、良い店づくりに導ける存在になりたいと思います。




最後までお読みいただきありがとうございました。

次回(3月)の「店長たちのチャレンジ」をお楽しみに・・・。



小澤 有紀子
小澤 有紀子
ワンスアラウンド株式会社 ビームス アウトレット 入間店 次長

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