輝く店舗の舞台裏

若手と共に、学び続ける店長でありたい

ワンスアラウンド株式会社 

ビームス アウトレット

あみ店店長 深瀬 明日美

現場マガジン【vol.200】

ワンスアラウンド「現場マガジン」をご覧の皆様、
はじめまして、深瀬明日美と申します。今年で入社10年目、現在は所属人数約20名の大型店で店長を務めております。
今回は、私が店長として大切にしている「若手育成」にまつわるお話をさせていただきます。

若手と共に、学び続ける店長でありたい

入社当初は、スタッフ4名の小さな店舗で、ベテラン社員に囲まれながら“見て覚える”スタイルで叩き上げのように育ててもらいました。

その後さまざまなブランドや店舗を経験し、大型店に次長として異動。そこには学生アルバイトや高卒の新卒社員など、今まで関わったことのない年代のスタッフが多数在籍していました。

配属後、最も苦労したのは、20歳前後の若手スタッフの育成です。
それまでの自分のやり方や価値観がまったく通用せず、試行錯誤の連続でした。

当時の店長はベテラン中のベテランで、「もうジェネレーションギャップがありすぎる」と言っていたのを覚えています。

私はその間に立ち、若手スタッフとの橋渡し役として奔走する毎日でした。
そんなある日、「あなたに店長を任せたい」と声をかけていただきました。

正直、自分は“サポート型”の人間だと思っていたので、マネジメントの重責を担う自信はありませんでした。

それでも上司は、「あなたにしかできないスタイルの店運営がある」と背中を押してくれたことで私自身の中に少しずつ覚悟が生まれていきました。
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店長として今も大切にしている3つの考え方

【1】自信のなさを“武器”に変える

私はもともとネガティブ思考で、自信もないタイプです。店長という役割も「自分には向いていない」と思っていました。
「もっと堂々と振る舞えたらいいのに」「自分なんかがリーダーでいいのか」
そう思い悩むこともしばしばありました。


しかし、実際に部下を持ち、リーダーという役割に向き合う中で気づいたのは、“自信のなさ”がむしろ人との信頼関係を築く大きな強みになっていたという事実です。


自信がない分、「もっとこうしたら良くなるかも」と部下と一緒に考えたり、悩んだりする時間を自然と持つようになり、コミュニケーションをとる時間が増えていきました。
この“伴走感”こそが、若手との信頼関係を育むベースになったと感じており、私自身の強みになっていったと実感しています。


もし今、私と同じ様に「自分には店長なんて無理」「リーダーに向いてない」と感じている次長やチーフの方がいたら、自信のなさを“弱み”と決めつけず、それを活かす視点を持つことが、これからの育成において大きな武器になるとお伝えしたいです。


【2】「自分の常識」は一度脇に置く


私はこれまで「見て覚える」スタイルで育ってきました。
だからこそ、自分が新人を育てる立場になったとき、
「なんでこれができないの?」「言われなくてもわかるでしょ?」そんな思いがつい先に出てしまうことが少なくありませんでした。


私の店舗では、毎年高卒の新入社員を迎えています。
しかし、同じ教育方法が毎年通用するわけではありません。
個性も価値観も異なるスタッフ一人ひとりと向き合う中で、その都度、育成の仕方を見直していく必要性を強く感じるようになりました。


そこで、私が意識を変えたのは「自分の経験や常識をあてにしすぎないこと」でした。
“自分だったらこう考えるのに”という視点で見てしまうと、相手の「できていないところ」ばかりが目についてしまいます。


その結果、注意ばかりが増え、部下の「良さ」や「努力」に気づけなくなってしまう。
そして注意され続ける部下は、自信を失ってしまうのです。
そこで私はまず、相手の考えを丁寧に聞くことを大切にしました。


「今、何を考えていたの?」と問いかけることで、小さなつまずきや意外な発想に気づくことができ、その人に合った具体的なサポートができるようになります。


自分の常識ややり方が正しいとは限らない。
そう自覚して、相手の声に耳を傾けることで、
若手スタッフのユニークで柔軟な発想も楽しめるようになりました。


【3】「やり抜いたこと」の成功体験が成長を促す


若手スタッフの育成では、「成果が出たかどうか」だけで判断せず、やり抜いたことそのものに価値があると捉えるようにしています。


例えば、店舗で「NPS(顧客満足度スコア)」向上に取り組んだ時のこと。
担当したのは、入社3年目の若手スタッフでした。
もともと接客を楽しむ、熱血で真面目な本人なのでお店の顧客満足度向上の為に、取り組みの目的や意味を自分の言葉で周囲に説明しながら推進してくれました。


店長である私からは『とにかく毎週の週間報告を欠かさず行い、PDCAを回し続けよう』と伝え、伸び悩んでいる時は、反省点はどこだと思うか?今週はどう戦っていくのか?をマンツーマンで相談しながら一年間粘り強くチームを巻き込み続けました。
その結果、店舗のNPSスコアは今まで達成することの出来なかった目標を達成する事ができ、担当スタッフは会社のイヤーコンベンションで優秀スタッフとして表彰されるまでになりました。


このケースは成果も出ている事例ではありますが、そもそも「やりきった経験」が本人の自信になり、結果が出なかったとしても、自分ならやり切る事ができるという成功体験として本人の成長を促してくれます。
私はその姿を見て、結果以上に「責任を持って最後までやり抜く」ことの価値の大きさを改めて感じました。


さいごに

私にとって店長という仕事は、「すべてを教える」ことではなく、「一緒に悩み、考え、気づきを共有する」ことです。


自信のなさも、過去のやり方も、若手との関わりの中で変化していきました。
これからも、“共に育つ姿勢”を忘れずに、チームと向き合っていきたいと思っています。




最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも現場から届いたお客様の「ありがとう」を
ご紹介してまいります。

深瀬 明日美
深瀬 明日美
ワンスアラウンド株式会社 ビームスアウトレット あみ店店長 

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