
ブランドへの愛着が生んだエピソード ー自社商品を愛する行動とはー
ワンスアラウンド株式会社 取締役 佐藤 梨枝子 | ![]() |
現場マガジン 【vol.205】
ブランドへの愛着が生んだエピソード
ー自社商品を愛する行動とはー
多くのショップスタッフは自分が所属するブランドへの愛を以って、その情熱を日々接客やSNSなどを通してお客様に発信しています。
時にそれは職場を離れた私生活でも、そのブランド愛がもたらす微笑ましいエピソードを生むことがあります。
今回はそんなエピソードをご紹介したいと思います。
■登山女子が体験した 美しい景観と学生さんとの出会い 先々週、ずっと念願だった「塩見岳」から「間ノ岳」そして「北岳(日本2位)」へと続く縦走路へ! 夢に見ていた景色の中をようやく自分の足でたどることができました。 (主人からはいつも「自ブランドのチェッカーだね」と呼ばれているほど、目に留まるとつい反応してしまうんです。笑)
その後山荘に戻り、一緒に乾杯しながら山の話で盛り上がり、短いながらも心に残る交流となりました。 思えば、自分自身も「カエルの手袋(99円、やる値!)」との出会いがきっかけで、このブランドのショップで働くことになりました。 「このブランドで働いていて本当によかったな〜。」改めてそう思わせてくれる時間でした。 |
登山が趣味のTさんは、普段の仕事でも、よく同じ趣味を持つお客様の相談に乗っています。
靴の選び方、気温の変化に合わせたウェアの選び方など、体験した者でなければ分からない提案を行ってお客様に感謝されています。
低単価・高機能・高品質を誇るこのブランドは様々なライフスタイルで活躍するのですが、今回は何といってもこの学生さんの「お金のない大学生にはありがたい」のひと言に、読んでいる私も心から「このブランドがあって良かった!」と思いました。
■休日に寄った他店舗で 思わず接客をしてしまったIさん 先日、家族の付き添いで自ブランドが展開する他のレーベルのお店に行った時のことです。 休日だったこともあり、広い店内は家族や友人といらっしゃっているお客様たちでいっぱいでした。 色々と見て回り、ファンウェアのコーナーに行くと一人の女性がいました。 「夏本番に備えて検討中なのかな…」と思いながら近くを通り過ぎようとした時、 話を聞くと、「ファンウェアを買いに来たけど種類が多くてどれがいいのか分からない」とのこと。 自店舗以外で商品をご案内するのは控えたほうがいいと思いましたが、店員さんは他のお客様対応で忙しそうだったので「店員ではないですが、よろしければお話を聞かせていただけますか?」と返答しました。 女性の話を聞きながら、これまで得た知識と電子カタログ、商品説明書(タグ)など使えるツールを駆使し、女性の要望を叶える商品を紹介。 実際に試着と操作方法も体験してもらい、納得していただけたようで「相談に乗ってもらえたおかげで安心して良い品物を購入できます。どうもありがとう。」と嬉しい言葉と笑顔をいただきました。 休日に接客をするとは思わなかったのですが、抵抗なく自然に寄り添った対応をすることができてよかったです。 注)「でら」とは名古屋方面で「とても」や「すごく」を意味する言葉です。 |
接客業を経験した方であれば似たような経験を持たれているかもしれませんが、何故か、プライベートでも接客業の匂いを発散させてしまうのか、店員さんと間違われることが多いです。
しかし、多くの人は「私、店員ではありません」とその場を離れるのではないでしょうか。
このIさんのように「店員ではないのですが」と一言お断りをして、お客様の相談に乗ってあげることが、お1人で迷われていたお客様をどれだけ安心させたことでしょうか。
真のホスピタリティマインドを持つ人は
仕事とプライベートの垣根を超える!
皆様、いかがでしたか?
私はこの2つの事例から、仕事の時だけ「利他の心」になり、プライベートでは「利己的」になる人と、いつどんな場面でも接客業という職業にプライドを持って、周りに接する人とでは、ホスピタリティの本質が違うのだと今回の事例から学ばせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも現場から届いたお客様の「ありがとう」を
ご紹介してまいります。