輝く店舗の舞台裏

~SNS強化プロジェクトでの学び~ チームリーダーがやるべきこと

ワンスアラウンド株式会社

ビームス SNSディレクター

笹間 美希

現場マガジン【vol.228】

ワンスアラウンド「現場マガジン」をご覧の皆さま、こんにちは。ワンスアラウンド株式会社 SNSディレクターの笹間です。早いもので入社18年目を迎えました。現在はディレクター業務のかたわら、ビームス 豊洲店の店頭に立っております。

さて10月を迎え、下半期がスタートしましたが、

「下半期こそ店舗の目標を達成しなければならないのに、アクセルを踏みきれず抜け出せない……」

「自分よりも圧倒的な実績やスキルを持つスタッフを、どうマネジメントすればいいかわからない」

「自分ももっと売上を作らなければ…と一人で抱え込み、身動きが取れなくなっている」など、特に新人リーダーの皆さんは、プレッシャーや焦りの中で、こんな壁にぶつかっていないでしょうか?

私が担うSNSディレクターという仕事は、プロパー、アウトレット計7店舗のスタッフ投稿の運用管理を行い、オンライン上の売上最大化を牽引する役割です。しかし、コロナ禍を抜けて店舗の活気が戻る一方で、「一定の売上はあるものの、今のSNS運用では飛躍的な成果はえられない」という慢性的な低迷期に陥っていました。

そこで「SNS強化メンバーPJ」が発足したのですが、

SNSディレクター2年目を迎えていた私が、PJのリーダーとして、どう壁を乗り越えたか。

私の経験したリアルな立て直しストーリーが、同じ悩みを抱えるリーダーのヒントになれば嬉しく思います。

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■すべては、ディレクター2年目の春から始まった。

それなりに投稿は行われ、一定の売上はある。

しかし、現場はただでさえ忙しい日々の連続で、「今の運用だけでは飛躍的な成果はえられない」――

この状況を打破するため、私が選んだのは社内で圧倒的な実績と高いスキルを持つメンバーたちのSNS強化メンバーPJへの登用でした。メンバーの大半は、一線で活躍する実績とスキルを持った役職者クラス。彼らをSNS強化メンバーPJにアサインすることは必然の選択でした。しかし、それは同時にSNSディレクターである私にとって、大きな恐怖の始まりでもありました。

「自分より実績のある人たちを、自分がマネジメントできるのか?」

「指示を出そうにも、説得力があるだろうか……」

自分が彼らのように巨額の売上を叩き出せるわけではない。「指導者ぶるなんておこがましい」と、身動きが取れなくなっていったのです。

■気づいた真実:「私にしかできないこと」に全力を注ぐ

そんな葛藤の中で、ハッと目が覚めました。

「私がプレイヤーとして巨額の売上を作り上げる必要はない。現役プレイヤーとして、長年感じている痛みや課題を誰よりも深く理解しているからこそ、私にしかできないことがある」

彼らと同じ土俵で売上の数字を競うのではなく、長年現場で汗を流し、何に悩み、どこに壁を感じてきたかを知る私だからこそ、彼らが全力を出せる環境をつくること。そこに自分のすべてを注ぐと決めました。

PJチームを加速させたのは、次の3つのマネジメント施策です。

❶ 予算にあわせたSNSに集中する時間の確保と現場の交渉

PJメンバーの大半は自分の店舗業務を抱えながらの挑戦です。「スタッフ投稿も、店頭接客と同じ重要な販売活動である」という信念のもと、予算にあわせた集中時間を確保できるよう動きました。「忙しいのに店を空けられるか」という現場の反発もありましたが、店長たちの葛藤も痛いほどわかる私だからこそ、時にはグループマネージャーと店舗へ出向き、交渉を行いました。

リーダーの仕事とは、ただ指示を出すことではなく、メンバーが動ける環境と周囲の理解という土台をつくることだと痛感しました。

❷ アプローチ数の管理と、個性を活かす検証

アプローチなしでは、ものは売れません。

当時の最大アプローチ数をベースに、メンバーの個人予算にあわせた必要な投稿数を算出し、徹底的に検証しました。

ただし、やり方は1つに絞りません。自分より売れる個性豊かなメンバーそれぞれの得意分野で勝負してもらいました。

  •  スタイリングを活用し、トータルコーディネート 力で勝負する

  •  フォトログを強みとするスタッフは、写真スキルを活かして1枚の写真で勝負をする

  •  ビデオ(動画)で勝負するスタッフは、リアルな動きや映像ならではの臨場感を伝える

  •  ブログでお客様の心を鷲掴みにするスタッフは、豊かな文才とトーク力を活かして惹きつける

私の仕事はやり方を指示することではなく、それぞれの得意分野でアプローチに集中できる枠組みと数字の管理に徹することでした。

❸ キャリアの壁を越えるサポートとオンライン脳への切り替え

やる気と素質を見込んで抜擢した新人枠には、週1回の分析共有や個別ミーティングで手厚くサポートしました。また、全メンバーに徹底したのが「オンライン用のアプローチ脳」への切り替えです。

今、目の前のお客様ではなく、店頭よりも約2週間ほど未来を見据え、商品が手元に届くまでのタイムラグも加味したアプローチを行う。この視点を共有し、メンバーが存分に力を発揮できる環境をつくり上げました。

■驚異的な成果と、心強い味方になってくれた店長たち

当時目指した予算は、前年比117%という非常に高い目標でした。

しかし、私の分析と具体的な実行項目を提示するマネジメント、それに対して高いレベルで応えてくれるメンバーの並外れた情熱とスキルが結実し、最終的に予算比128%、前年比150%という驚異的な成果に繋げることができました。

全国で3位の成績を残したメンバーを筆頭に、PJメンバーから6名が「ビームスオンライン接客賞」を受賞。24年度にわずか2名だった受賞者は、25年度には史上最多の8名が選出されるという快挙を成し遂げることができました。

SNS投稿を単なる「業務」ではなく、常にお客様目線に立った「オンライン接客」として捉え、メンバー全員で磨きをかけ続けた結果です。

最初は「現場が忙しいのに」と私たちの挑戦に懐疑的だった店長たちも、メンバーが次々と叩き出す圧倒的な数字と真摯に取り組む姿を目の当たりにし、今では誰よりも心強い味方となって支えてくれるようになりました。

■働きやすくすることが最高のパフォーマンス

リーダーが自ら一番売るのではなく、「働きやすくすることが最高のパフォーマンスである」という信念のもと、メンバーが売るための環境づくりと障害を取り除くことに特化したとき、チームの推進力は個人の限界を遥かに超えていきました。

私自身もこの経験を通じて「人に頼ること」の本当の価値を知りました。

■さいごに:今、プレッシャーに悩む新人リーダーへ

下半期を迎え、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら「自分より実績のあるスタッフをどう率いればいいか」と悩んでいるあなたへ。

どうか安心してください。

あなたが現場で誰よりも売上を作る必要はありません。大切なのは、あなたがスタッフとして長年感じてきた課題を誰よりも深く理解し、周りが最高のパフォーマンスを発揮できるように道をつくることです。

自分にできることが限られていると知ることは、現場を知るあなたにしかできない、チームを率いてダッシュをかけるリーダーへの第一歩です。

あなたがいまかかえているその葛藤と挑戦は、確実にチームを強くしていきます。

今後のご活躍を心から応援しています。

下半期も、チームのためにともに頑張りましょう!


最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも現場をリードするスタッフの得意(拘り)を
ご紹介してまいります。

笹間 美希
笹間 美希
ワンスアラウンド株式会社 ビームス SNSディレクター   

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